こんにちは、クボです。
鍼灸師歴は8年ほど。
現在は東洋医学をベースとした鍼灸治療をしています。
さて、先日に下記のツイートをしました。
🔽「痛いの痛いの飛んでけ~」でホントに飛んでくワケ(読売新聞(ヨミドクター))#Yahooニュースhttps://t.co/cYpkwkT1O6
刺さない鍼(てい鍼)で痛みが飛んでくワケも、記事にある「ゲートコントロール説」と同じです。とりあえず擦るは、痛みを軽減するのに役立ちます。
— 久保 和也 (@kazu_7898) October 5, 2020
今回は鍼灸の作用機序でもある「ゲート・コントロール説」について解説をしていきたいと思います。
ゲート・コントロール説は、鍼灸だけでなくマッサージや低周波電気治療にも応用されている理論です。
ちょっと難しい理論に聞こえるかもしれませんが、なるべくわかりやすくお伝えをしていきます。
「刺さない鍼は何で効くの?」と疑問に思う方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
記事は3分ほどで読み終わります。
目次
【鍼灸の作用機序】ゲート・コントロール説
ゲートコントロール説を簡単にお伝えすると、
痛みの刺激(痛覚伝導路)が脳に伝わるのを途中(脊髄後角)で遮断するというもの。
1965年:メルザックとウォールによって提唱
このような疑問を持つ方も多いと思います。
ここに関しては、もう少し深掘りをして解説しますね。
少しだけ専門用語が出てきますが、ご了承くださいm(_ _)m
痛覚伝導路
まず抑えてほしいことは、
人間はどのように痛みを感じるのか。
それが下記の流れです。
- 痛みの発生→細い神経繊維(Aδ・C線維)→脊髄後角→視床→脳
※脊髄後覚:感覚を脳に伝える経路の門番
痛みの刺激は、脳で「痛い!」と感じるまでに上記②のステップを踏んでいます。
なぜ痛みが抑制されるのか?
ここで登場するのが触圧覚です。
触圧覚とは手で摩ったり、圧をかけた時に感じる感覚のこと。
この触圧覚は痛覚と異なり、太い神経繊維(Aβ線維)によって刺激が脳に伝わります。
具体的には下記の流れです。
- 痛みの発生→太い神経繊維(Aβ線維)→脊髄後角→視床→脳
そして、ここからが重要なポイント!
複数の刺激(痛み・摩る)の刺激が同時に起こると、、
門番である脊髄は、太い神経繊維(触圧覚)を優先的に受け取り、後からくる細い神経繊維(痛覚)を遮断するという性質を持っています。
つまり、脊髄の性質を利用して痛みを遮断するのが「ゲートコントロール説」ということ。
簡単にお伝えすると、
触る:先
痛み:後
という人間の元々持っている性質を利用します。
このゲートコントロール説があることで、冒頭にお伝えした「痛いの痛いの飛んでけ〜」の理論が説明できるわけです。
どうですかね?何となく理解できましたか?^^;
もし質問等あれば、気軽にコメントくださいね。
刺さない鍼で痛みが軽減する理由
刺さない鍼(接触鍼)で痛みが軽減するのは、ゲートコントール理論で説明ができるでしょう。
例えば、ローラー鍼で摩ってあげたり、小児鍼をするなどですね。
しかし、ゲートコントロール説はあくまでも1つの理論であって「接触鍼=ゲートコントロール説」というわけではないです。
経絡(ツボ)治療に接触鍼を用いることもありますし、刺さない金鍼を使うことで「気の流れ」を調整する方法もあります。
今回の内容は、鍼灸の作用機序の1つとして認識していただければと。
ということで今回は「ゲートコントロール説」について解説をしてきました。
ちょっと難しく感じた方もいるかもしれませんが、何となくでも理解していただければ嬉しいです。
今後も鍼灸の作用機序は少しずつお伝えをしていきます。
興味ある方は引き続きご覧くださいね!
今回は以上です。ではまた〜
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